ストロングゼロ文学が鳴らす警鐘、現代の闇を照らす一筋の光

「酒が無くて何の己が桜かな」どんなに綺麗な桜が咲いていたとしても、酒がなければ花見もおもしろいものにはならない。という意味の諺が日本には存在する。酒が無くて、何が楽しいんだって意味。この命題に対して対偶を考えると、「楽しいのは全て、酒があるから」。それでは、「楽しくないのは、酒がないからなのか?」

さて、最近になり巷ではストロングゼロが大流行りしているようだ。それもそのはず、ストロングゼロ500mlを換算してみると、缶ビール3缶、瓶ビール1.5本、日本酒1.5合、テキーラショット4杯に相当するのである。驚異的な数字である。

よくよく考えてみよう、あまり缶チューハイで飲み比べなどしないと考慮すると、缶は一度開けるとその人が全て飲む必要性がある。つまり、ストロングゼロ1巻を開けた人間は瓶ビール1.5本分(テキーラショット4杯分)のアルコールを知らず知らずの内に摂取しているのである。ただ、世の中にはそれを知りながらも、ストロングゼロを口に運ばずにはいられない人々がいる。

それを皮肉った「ストロングゼロ文学」というのが最近のミームである。「飲む福祉」と呼ばれるよう、ストトロングゼロを飲み人たちを底辺かのように捉え、過去の文学に落とし込んでいく。実際それがネット界隈で受けているのだから、共感・賛同する人たちが多いのだろう。

しかし、人々がストロングゼロ大喜利する現実は、現代の闇を照らしているのではないだろうか。飲まずにはいられない人たちに負い目はない、むしろそんな人たちをなくすためには、と働きかける人たちが増えてきて欲しい。そう思いながら、私はストロングゼロを喉に流し込むのである。

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実際面白いよね、ストロングゼロ文学。飲みながら読むと、自虐してるみたいで一層高ぶる。

 

ABC予想に関する驚き方に対して、私は驚きを隠せない

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今日、ネットを開くと何やら「数学の超難問・ABC予想京都大学の教授が証明した」というニュースを拝見した。数学の知識など遠い昔に置いて来てしまったので、これがすごいかどうか、正直なところ分からないのでコメントし難い。しかし、記事的には十分に賞賛に値するのだろうと読み取れる。しかし、3点ほど腑に落ちない点がある。

まず、一つめに自分の教養のなさである。悲しいかな、このニュースに対して大きな喜びを持てない。まず、ABC予想が何が何だか分からない。「数学の超難問という情報」と「整数の性質の研究」と「整数aと整数bの和がcのときに成立する特別な関係を示す」。これらからこの研究に対する、「背景」「従来の問題点」「筆者の着眼点」「筆者の手法」「今後の展開」が全くと言っていいほど理解できていないが故である。

ただ本来、「研究の内容」は①その分野に対して知識のある人が、②元の論文を読み込み、③足りない部分を他の論文を読んで、ようやく一部理解できる。それを❶その分野の知識のない人が、❷元の論文を読まず、❸足りない部分すら分からないまま、理解できるだろうか。答えはノーである。全て理解できないのは重々承知だが、今のままの知識では素直に喜べない。メディアさん、もう少し丁寧に説明してはくれないだろうか。

normahead.seesaa.net

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二つめに、どうしてこのニュースそこまでバズっているのか。言い換えると、他の研究はどうしてバズっていないのだろうか、という点である。研究は数学だけに限らない、物理、化学、生物、歴史、地理、言語、スポーツ(高校の教科を並べただけだが)に関する研究は絶えず行われている。強いて言えば、Nature, Cell, Science誌に代表される学術誌も随時、更新され続けている。なのになぜ、この研究のみ、これほどフューチャーされるのか。

その理由は簡単であろう、メディアはバズりそうな記事を書く必要がある。バズるためにはある程度、読み手が理解しなければいけない。すなわち、書き手のレベルを読み手に合わせる必要がある。特に研究に関する記事は注意しなければならず、内容を抜きで相手に伝える必要がある。そして付け加えるならば、内容以外でその研究の偉大さを伝えなければならない。そうすれば内容を理解できない我々でも、その「凄さ」だけは理解できる。でもそれでいいのか?

最後の点として、どうしてみんなそんなに驚けるのだろうか。ABC予想を理解せずに「凄い」という人は、何に対して「凄い」と思っているのか。ベイカー茉秋がオリンピック金メダルを獲った、体操は個人も総合も日本が世界一、これらは分かりやすい。世界一を獲ったのだから。世界一というのはどんな競技でも「凄い」のである。しかし研究は、「研究背景」「問題点」「解決方法」「展望」があって初めて「凄さ」が成り立つ。なのにどうして、私たちは驚いているのか。理解というプロセスを抜きにして。

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仕事が始まる前に何とか書きあがった。あとで解説サイトを読み込もう。乗るしかない、このビックウェーブに。